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多用途の建物群を外観も機能的にも一体化させた空間の実現
「龍」のインパクトと風格に利便性と快適さを備えた空間設計 |
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本プロジェクトの計画地は、天津塘沽地区市街地北部に位置し、幹線道路である新北路に面する敷地面積約37,000㎡、新北路沿線延長約500mの細長い敷地です。周辺は、ここ数年のうちに急速に住宅、オフィス、商業施設などの開発が進むと予想され、居住人口、労働人口、商業などでの流動人口の増加による新たな活気のある街が生まれることが予想されます。また、環境としては、近郊に大きなダム(水庫)があり、水と近い関係にある地域です。
これらの地域性を考慮して、本計画は、施主側の要望である「龍」を一つのテーマとして、住宅、SOHO、四つ星ホテルを建設するものです。この3つの用途の建物を建設するにあたり、総合開発のメリットを活かし、それぞれの建物が独立性を保ちながらも、外観や機能的には一体となった空間となることを提案しています。また、インパクトと風格があり、かつ利便性が高く心地よい空間を創造することを目標としています。

建築とランドスケープという2頭の龍の一体化を実現
『龍~水~緑~人』の設計への具現化

「龍は水から生ず」(戦国時代『管子』)
「龍は水物なり」 (前漢末『春秋左氏伝』)
施主側の要望であるテーマの「龍」は、上記のような中国の古典にあるように、権力や生命力の象徴であり、水の象徴とされています。また、この建設地である天津塘沽地区も昔から水資源の豊かな地域であり、水と人々の生活は親しい関係にあります。龍が象徴する豊かで美しい水のあるところは、生命にとって心地よい環境となるところです。この龍という一つの象徴を、人が活発に豊かに心地よく生きる空間として具体化していきます。

龍は、建築とランドスケープという2頭の龍としてイメージし、その2頭が互いに絡み合って一体感をもたらすことで、人々の生命力を向上させる環境を創り出していきます。9つの建築棟に対して9つの水景が配置されるなど、2頭の絡み合いが具体的に表現され、一体感が実現されます。
龍の躍動・上昇・生命力は、建築立面のうねり・ずらし・重なり・凹凸として表現されます。
「ホテル棟および各棟を流線的につなぐ低層部の回廊」は、龍が水中を躍動し、そして天に昇る力強い生命力を現します。外壁は、龍の体を覆う鱗のように重なり合い、ずれや陰影を作り出すことで重曹感を生み出します。また、ホテル棟には、龍が手に持つマニ宝珠をイメージしたモニュメントもデザインされます。
「SOHO棟」は、マニ宝珠のような透明感と美しさをイメージし、その形態は龍の動きが作り出す波動のようなしなやかな美しさを表現します。
「住宅棟」は、平面構成上、大きな凹凸がありながら一つの楕円形を成す外観が、龍の骨格にみる力強さとエレガントな雰囲気を醸し出します。
「ランドスケープ」は、豊かな水に育まれた林を表現し、それぞれ高さの異なる木立の木々の中を龍が見え隠れしながら躍動する様を人々に印象付けるなど、龍を具体的に表現する仕掛けが随所に施されています。

人々の活発な交流と外観の一体感を生み出す低層部の空間構成
本プロジェクトの特徴の一つは、各棟の低層部を連結させていることです。それにより、龍のイメージがデザイン的に表現されるだけでなく、利便性が高く、人の流れを活発にする空間が創り出され、龍が象徴する「水の流れ」が「人の交流」として実現されます。また、住宅、SOHO、ホテルの一体感も生み出されます。住む、働く、Shopping、レクリエーション、食事、来客応対などの行為が1つの空間で可能となり、生活の利便性が向上します。一体化されることは、住宅、SOHO、ホテルにとってそれぞれの付加価値となり、また、統一した風格あるブランドイメージを作り出すことを可能とします。
ホテル hotel
多様なインナーガーデンを中心にした美しく心地よい空間設計
ホテル棟1階には、施設の顔となるホテル玄関及びSOHO棟玄関、ロビー(インナーガーデン)、ラウンジ、およびホテル管理部門を配置。4階部分まで吹き抜けになっているインナーガーデンを中心として各機能を配置することで、分かりやすく開放感のある平面計画です。
1階のインナーガーデン「龍谷」は、ホテルのエントランスホールとなる部分に配置されます。コンセプトである『龍~水~緑~人』を凝縮し、天津の厳しい気候を考慮したインナーグリーンのあるアトリウム空間となります。龍をテーマとした「龍泉」も設けられます。
1階にはほかに、水景のラウンジガーデンも設置されます。建築や樹林などの周囲の風景、空の表情を映し、季節や時間によって様々な表情を見せる「水景」は、人々の心に潤いを与える心地よい空間となります。
2階から4階は、アトリウムに面した高級商業街となり、リラクゼーション施設や茶芸感、オフィスなどが配置されます。
5階から7階がホテルのメインフロアーとなります。ここには、吹き抜けの花園客室インナーガーデンが設けられます。5、6階には標準客室より広めのツインルーム、7階にはスイートというように、このインナーガーデンを中心にプライベート感のある花園客室が配置されます。花園客室ゾーンは、共用の花園をもつ空間とし、水と緑と光の溢れる高級感のある演出です。7階花園客室ガーデンから落ちる滝が流れとなってガーデン内を流れる壮麗な仕掛けとなっています。
また、6階には、低層部の屋上を有効利用して、フィットネスクラブ、プール、SOHO、花園客室、ウェディングガーデンを配置し、心地よく楽しい庭園空間を計画しました。
オフィス(ソーホー)office(SOHO)
SOHOの利便性をさらに向上させる空間計画る
SOHO棟は、Bathroom、キッチンの設置も可能な75~180㎡の5室を各階に計画しています。SOHO棟は、ダブルスキンガラスカーテンウォールで表層を構成し、龍の動きが作り出す波動のようなしなやかな美しさを形態に表現します。ダブルスキンとすることで、省エネにも配慮されます。高さは、ホテル棟を強調するため低く抑えています。
SOHO棟は利便性を考慮してホテル棟に隣接して配置されますが、2~5階の連絡通路によって、住宅区とホテル、SOHOが一体化し、SOHOの利便性をさらに向上させています。また、一体化することで風格の統一感が実現されます。
住宅 residence
水と緑の豊かな生命力溢れる環境の創出
住宅区はピロティ形式とし、地表面全体を住宅区の共用空間として開放します。それにより、高密度の住宅区でありながら、敷地内の開放感を創出すると同時に、「龍」をテーマに「水景」「緑景」「人の憩う場所」が創り出されます。
外観は、平面構成上、大きな凹凸がありながら一つの楕円形を成し、龍の骨格にみる「力強さ」と、高級住宅にふさわしい「エレガント」な雰囲気を醸し出します。外装はガラスとRC面(光沢性塗装)により構成し、適度な開放感のある居住性と美しさを併せ持たせます。また、南面には大きなバルコニーを設置します。快適な半屋外生活を送ることができるスペースとして機能するだけでなく、外観に深い陰影を造り出し、住宅の高級感を増す要素にもなります。
住宅のランドスケープは、8箇所設けられる住棟庭園のほか、社交庭園や子供広場が設けられます。入り口には、九龍壁とそこを流れる滝が設置され、住宅区の風格を醸し出します。建築・ランドスケープイメージとして龍の尾にあたる部分には「龍の出る池」も配置され、物語性も加味されます。また、周辺との境界になるように環境緑地や緑道が造られ、都市の景観づくりに寄与します。緑に囲まれた緑道は、安全な散歩空間となり、住民の憩いの場となるでしょう。 |
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